フィリピンのドゥテルテ大統領は9日夜、医療用酸素を製造する企業への税優遇を検討していると明らかにしました。新型コロナウイルスの変異ウイルスで感染力が強いインド型(デルタ株)の脅威に備える考えです。
ドゥテルテ氏は「感染が拡大して制御不能になれば、国民に大量の酸素が必要になる」と指摘しました。昨年に感染が拡大した際に酸素不足が発生したことを踏まえ、製造企業に対して何らかの優遇措置を付与する必要があるとの認識を示し、議会と協議する考えを明らかにしました。
世界保健機関(WHO)の当局者は先に、フィリピンに対し、酸素供給能力を高めるよう強く促しました。一方、ロペス貿易産業相は国民に対し、国内の酸素供給能力は現行の需要の3倍あると言明しています。