フィリピン貿易産業省は11日、完成車(CBU)に対する緊急輸入制限(セーフガード)の打ち切りを命じる省令を出しました。関税委員会の報告を受けて停止する方針を示していたところ、正式に終了します。セーフガードの暫定措置を適用した2021年2月以降の追加関税分は、輸入業者に払い戻されます。
ロペス貿産相が6日付で文書に署名しました。関税委は調査対象の2014~20年に、輸入車の急増や現地生産の競争力を阻害する要因は確認されなかったと指摘しました。貿産省は先月22日に報告書を受け取り精査した結果、乗用車と小型商用車(LCV)へのセーフガード適用を却下することを決めました。
労働組合のフィリピン金属加工業者連盟(PMA)は19年、輸入車の急増で雇用が奪われているとしてセーフガードの適用を要請し、貿産省などが調査に乗り出していました。
関税委は今年2月から暫定措置として、乗用車と小型商用車の輸入に追加関税を課していて、自動車メーカー各社は、購入者からの預託金徴収を余儀なくされていました。