フィリピンの財閥サンミゲル・コーポレーション(SMC)は9日、マニラ首都圏を流れるパシッグ川の浄化作業を8日に開始したと明らかにした。実施期間は5年間で、国内最大規模の河川浄化事業となる。マニラスタンダードなどが伝えた。
特殊機材を用いて、1カ月当たり5万トンの泥や廃棄物などの除去を目指す。事業費は当初予定していた金額の2倍に当たる20億ペソ(約45億9,000万円)を投じる。
港湾運営大手インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ(ICTSI)傘下のICTSI財団も9日、100万米ドル(約1億950万円)を投じて、パシッグ川のプラスチックごみ回収を実施すると発表した。1日70~200トンの回収を目指す。フィンランドの非政府組織(NGO)リバーリサイクルと提携する。
米科学振興協会(AAAS)の研究によると、パシッグ川は世界で最もプラスチックごみによる汚染が深刻な川。世界のプラスチック汚染の原因となっている河川の28%がフィリピンにあると示した。